小さな写真展-ヒビノカケラ展

時々遊びに行く、木津川の河川敷にある、とても小さくて可愛い地球小屋tipiで写真展が開催されます。

地球小屋写真gallery 「ヒビノカケラ展」

小さな小屋にみんなで写真を展示します。

今回は、このヒビノカケラ展に出す作品を少し印刷しました。

過去から最近の写真をゆっくりと見直して、印刷するという作業は、楽しくてなかなか前に進まない。

印刷した写真を床に並べてみると、個々の写真を超えてゆっくりと全体が見えてきます。

一昨年より、去年、去年より今年、草花たちや自然に寄せる思いが深くなって来ているような気がします。

自分の心の変化や感性の変化が分かる。

少し照れくさいような、嬉しいような不思議な気持ちです。

自分の写真をこんな風に並べてみるのは数十年ぶりでとても新鮮。

招待してくれたパナさん、どうもありがとう。

日々変化する光が美しい。

美しいヒビノカケラ。

 

 

ビオダンサ 歓びのとき

ビオダンサに参加するのは今回で4回目になる。

少し余裕も出てきて、自分と向き合うことも、人を感じることも出来るようになってきた。

回を重ねる毎に、徐々に経験が深まりビオダンサが心身に浸透してくることが分かる。

自分の内面と身体を感じながらゆっくりと身体を動かす。

手を静かに揺らし、揺れる手と心を感じる。

手の揺れが身体に伝わり、さざ波のように拡がっていく。

閉じている目に光を感じたと思った瞬間、

朝露に濡れる草花に、太陽の光が朧気に差し込むイメージが浮かんできた。

胸を拡げて、手を高く上げると、霧がはれて、朝露が輝き始める。

ゆっくりと身体を揺らせると、野原の草花たちが風にそよぎ始める。

草花たちの動きが止まると、身体の揺れが止まる。

草花と身体が一つになったように、共感し共鳴する。

音楽がフェイドアウトし、静かに目を開けると照明を落としたスタジオに多くの仲間が見える。

 

小さな円をつくりゆっくりと身体を左右に動かす。

波が海に伝わるように、人の温もりと存在が伝わり心地よく身体が揺れる。

意識が波に溶け始めて海になり、一つの大きな世界に抱かれているような感覚を覚える。

私は自分の事を「波の滴だ」と思うこと事がある。

自分の人生は、海を離れた波の滴で、また海に戻るのだ。

私は海の一部だけれど、海もまた、私の一部なのだと。

海に溶け、また滴に戻り、また波に溶ける。

目を閉じると、この小さな閉じた円が無限の拡がりをもつ海のように感じられる。

やがて、このワークが終了し私たちは別れていく。

今回のビオダンサのテーマは「出会いと別れ」だった。

別れと出会いを繰り返しながら、私たちは大きな海へと戻っていく。

今日のビオダンサでは、そのことをリアルに感じる事ができた。

 

ビオダンサで出会えた人たちに感謝します。

みんなの愛を感じます。そして愛しています。

いつもありがとう。

禅マインド・ビギナーズ・マインドと写真

鈴木俊隆師の「禅マインド・ビギナーズ・マインド」をゆっくりと一読した。

珠玉の言葉が、時に真摯に、時にユーモアを交えながら、淡々と語られている。

この本の内容は、読んだ人それぞれの生き方に呼応するように、変化するだろう。

経験者は経験者の読み方を、初心者は初心者の読み方をする。

しかし、どんな立場であっても、この本を批判的に読むと、時間を無駄にしてしまうだろう。

この本に書かれていることを、純粋に、全くの受容で、無批判で受け取るとき、この本は良き導き手になる。

 

本の最初に「初心者の心には多くの可能性があります。しかし専門家といわれる人の心には、それはほとんどありません。」と書かれている。

写真も同じだと思った。

写真を撮る私にとって一番難しく、必要なことは、いつでも「初心」でいることだろう。

写真には、多くの技術がある。しかし技術が被写体と出会う訳ではない。

自分が、初心の感性・初心の眼差しを持って世界と出会うとき、世界は新しい美しさを見せてくれる。

被写体に向うときにはいつも「初心」であることが大切だ。

どんな見慣れた、毎日通る場所でも、そこにあるときはいつも「初心」でいたい。

「写真にとって一番大切な技術は」と聞かれたら、これからは「初心であること」と答えよう。

 

本のあとがきに鈴木俊隆師の心温まるエピソードが幾つか書かれてる。

「ある晩、禅センターのホールで、受付をしていました。

老師と奥さんが出てきました。私は新入りで、緊張して座っていました。

老師は、微笑んでいわれました。

『グッド・ナイト』

それだけでしたが、それは私の人生を変えてしまいました。」

この部分を読み終えて、私は胸が一杯になって続きが読めなくなってしまった。

何と、素晴らしい出会いだろう。

何と素晴らし師だろう。

いい出会いは一瞬で人の人生を変える力がある。

この年になってもなお出会いを求めている自分がいて、このエピソードに感動したのかもしれない。