重陽の節句のコンサート 梅の庵

先日の9月9日、重陽の節句の日、吉野山の麓、梅の庵でオカリナとシンセサイザーによるコンサートが行われた。

重陽とは、陽が重なることで、特別な意味を持つ。

周易では、奇数が陽、偶数を陰とし、9を陽の最大数にした。陽の最大数が重なるとき力が強すぎで、その災いから逃れるために、かっての中国や日本では行事が行われた。

周易の世界では、最も強い陽が重なる卦を、天の上に天が重なる「乾為天(けんいてん)」とした。

64卦のなかで最も力のある卦で、龍に喩えて卦の意味が語られている。龍が潜んで好機を待つ「潜龍勿用。(せんりゅうもちうるなかれ)」から始まり、絶頂期を迎え、最後の「亢龍有悔。(こうりゅうくいあり。)」で この卦は結ばれている。

陽が極まれば陰に転じる易の教えの通り、極まった龍は、行き過ぎて、退くことを知らず、力が無くなり、悔いることになると教えている。
強すぎる陽の災いから逃れるために、各地で邪気を払う行事が行われていたようである。

何げなく参加したイベントで、重陽ということの意味を新たに考えながら、音楽を聴いていると、龍が誕生し、世に出て、もう一度天に帰っていく姿が浮かんできた。上手く進むこと、退くことを易はいつも教えてくれる。

吉野山の麓の小さな庵に、素朴なオカリナの音と、重なるシンセサイザーの音に、参加者の人たちが打つチベットのシンギングボウルが響き合い、不思議な音空間を作り出した。

思いがけずたくさんの気づきを頂き、とても満たされた時間を過ごす事が出来た。

このコンサートを企画したユニティベルの梅本さんと演奏者 野上さんに感謝します。

 

吉野建てを利用した梅の庵

梅の庵 梅本さん

演奏者の上野さん

不思議な梅の庵

福西和紙本舗の光

仕事の縁がきっかけで、福西和紙本舗さんへ時々撮影にお伺いする。

福西さんの和紙は有名で、テレビや雑誌によく取り上げられていてご存じの方も多いと思う。

近年外国のデザイナーも福西さんの漉く和紙に注目している。

 

私はここでの撮影が好きだ。光をとても美しく感じる。

福西和紙本舗さんは人工の光が少ない。外からの光を上手く利用して作業をしている。

和紙の色と質感を正確に見るためだろう。

 

ガラス越しに、障子越しに、射し込む陰影がとても美しい。

福西正行氏

 

いつも快く撮影をさせて頂いてありがとうございます。

 

草の上に座る

夕方の散歩の時

草の上に座って草を撮影した。

前に草の上に座ったのは何時だったか

忘れてしまった。

もうひと月もすれば、寝転がれるかもしれない。

 

今朝ははまだ昨夜の雪が少し残っていた。

積もらなければ雪も愛おしい。