私は泣くことを忘れた

言葉が止まり

沈黙が流れる

私は泣きたいと思った。

大声をあげて

肩震わせ

泣いてみたい

最後に泣いた日を思い出せない

泣き方が思い出せない

幾重にも重なった愛憎の翼が

くるくると、くるくると回りながら

私のもとを去ったとき

私は泣くことを忘れた。

幾度、初雪を眺めても

去ったものは戻らなかった

凍てつく川の上で

冬の日の影を落として

強く足踏みをする

厚く閉ざされた氷の上で

私は知る

凍てつくものが心にもあると

春を待つものが心にもあると

泣いてみたい

大声上げ

肩震わせて

沈黙が止まり

言葉がながれ、今日もまた一日が始まる

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