小説ブッダ―いにしえの道、白い雲

数年前、既存の仏教に対する疑問から、ブッダは何を悟ったのか、なぜ修行をしたのか、何を伝えたかったのかを知りたくなった。

中村元さんをはじめ、スマナサーラー長老などブッタのことが書いてある本を中心に少し本を読んだ。

そしてヴィパッサナー瞑想を知り、瞑想会にも参加した。

ティク・ナット・ハン師の「小説ブッダ―いにしえの道、白い雲 」には当時私が知りたかったことのすべてが書かれている。

小説形式で書かれているが、ブッダの教えや瞑想法が丁寧に紹介されている。

そして何よりブッダを神格化していないことが素晴らしい。

一人の人間ブッダが悟りを得て、その教えを真摯に人に伝えていく様子が手に取るようにわかる。

この本を読んでいる間、気持ちはいつも満たされていた。446ページ2段組が少しも長く感じない満たされた時間。

この本は後何度か読み返すだろう。ブッダそのものを知るための最高の一冊だと思った。

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クリシュナムルティの生と死

クリシュナムルティの書籍と出会って、もう20年以上が経とうしている。

昨春あることがきっかけで、クリシュナムルティの言葉が少し理解できるようになり、心に染みいるようになった。

難解ではなく、しかし理解の難しい文章。いま思えばなんと丁寧に書かれていることか。

そのクリシュナムルティの伝記。以前に三部作で出版されていたものを、作者自ら一冊にまとめた労作。

クリシュナムルティの生い立ち、人格・思想の形成がよく分かる。

上質のハードボイルドのような面白さ。

ある程度クリシュナムルティの書物を読み込んだ方に是非お薦めの一冊です。

ギタンジャリ 

何気なく読んだタゴールの「ギダンジャリ」に強い感銘を受けた。

詩人の魂の偉大さに感動し、歴史の中で多くの詩人が注目され、その名を残した事を初めて実感した。

「ギダンジャリ」は大いなる神への純真なラブレターだ。

簡素な言葉と心躍らせる表現で神への熱い思いが綴られていく。

短い103編に納められた言葉は、どの信仰の書より私に神を感じさせることが出来る。

「疲れた夜には 私の信頼をあなたに託して あらがわず ぐっすりと眠らせてください。」

神 大いなる存在 を知り得た者だけが得る祝福。

私もいつかタゴールのように、大いなる存在への熱い思いを綴ることができるのだろうか。

書店で手に入る数少ないタゴールの詩集。

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