エルクはスルリとすり抜ける

私たちのつらさも、悲しみも

エルクはスルリとすり抜ける。

「長くて4日、早ければ今夜にも」という獣医さんの言葉さへ

エルクはスルリとすり抜ける。

荒い息をしながら起き上がると、真っ先に水を飲む

庭に出て用を足し、おやつを催促してまた眠る。

エゴを持たないエルクには死の恐怖がない。

まるで優れた禅僧のようだ。一休のようだ。OSHOのようだ。

今もエルクは冷たい雨の中で用を足し、庭を一回りして、

おやつを催促してまた眠りに着こうとしている。

エルクの弱りきった心臓が止まるとき

エルクが失うものは、老いた肉体だけだ。

そのとき私たちはかけがえのないもの

愛おしいものを永遠に失う。

しかしエルクは永遠の別れも

私たちの思いも

すべてをスルリとすり抜けて

今を心地よく生きている。

コップの水が、海の水に混ざるように

エルクは、静寂の世界に旅立とうとしている。

私たちの人生を変えたこの犬を

ありったけの悲しみと感謝とともに見送りたい。

 

今、エルクの寝息を聞きながらこのブログを書いています。

私たちは、残された時間をエルクとサテで過ごします。

エルクに死が訪れた時、

私たちに必要なことは、十分に慈しみ感謝する時間です。

私たちをそっと見守ってください。

言葉ではなく、ただそっと見守ってください。

同じこころの中にある

哀しさも喜びも同じこころの中にある。

嬉しいといっては、波立ち

つらいといっては、また波立つ。

そのさざ波が消えるとき

透明なこころの中に

喜怒哀楽のすべてがあることを知る。

同じこころが喜び

同じこころが哀しむ。

そのこころの奥に、

遙かな果てに、

こころを越えた世界がある。

無限の静寂の世界を感じる場所

ブッダはその場所を涅槃と呼んだのだろう。

この場所を知りたければ

ただこころを見ればいい。

哀しいときも、嬉しいときも、ただ自分のこころを見続ける

見続けたこころの奥に涅槃に通じる道が見える。

 

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よく考えずにものを言おう

いつもいつも、「よく考えてものを言いなさい」といわれ続けてきた。

しかしこの言葉には、前提がある。

「正しい事を言いなさい」「社会や世間のことを考えて言いなさい」

という暗黙の強制がある。

この言葉を繰り返して聞いていると、自分の感じたとを素直に話せなくなってくる。

私は正しい社会人より、楽しい個人が好きだ。

楽しいことは、よく考えない言葉から生まれる。

正しいより、楽しいを選択するなら

よく考えずにものを言おう。

自分の感じたことを素直に人に伝えよう。

自分の直感を

自分の存在を

自分の感覚を信じよう。

 

頭が空っぽになるほどに

小さなもの、穏やかなもの、些細なものを感じることが出来る。

頭が空っぽになるほどに

心は満たされる。

 

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