黄砂が空一面を覆い、風が吹いて、太陽が隠れる。
東アジアの砂漠から春を告げる消息が届く。
遠方の消息が私たちに影響を与える。
星の動きが、宇宙の力が、大気が私たちにいつも関わっている。
月の満ち欠けが、地球の回転が、銀河が、
すべての存在するものが、影響を与えあいながら、変化し続けている。
このどうしようもない変化、とどまることのない転生。
このことをブッダは、「諸行無常」と言ったのだろう。
すべてが依存しながら、繋がりながら、影響を与えあいながら、
私たちの生が連綿と続く。
なにも独立したもの、単独で存在するものはない。
このことをブッダは、「諸法無我」と呼んだのだろうか。
春の花を見るとき、静けさの中に歓喜を感じる。
このことをブッダは、「涅槃寂静」と名付けたのだろうか。
ブッダの教えは私には難しい。
それよりもエルクがたくさんの大切なことを教えてくれる。
難しい言葉を使わずに、ただそこにいるだけで
生きることの素晴らしさを教えてくれる。
今あることの大切さを伝えてくれる。
愛する心を知らせてくれる。
黄砂に覆われた太陽
黄砂に煙る吉野川
風がやみ、太陽が少し差し込む
奇跡のエルクは今日の夕方
少し長い散歩に行きました。
私のどんな言葉も
笑い飛ばすエルクがいる。