保留する力

決めつけることと、決めつけないことなら

決めつけないことは、遙かに難しい。

きれいと言わない

おいしいと言わない

いい人と言わない

嫌な人と言わない

決めつけた瞬間に、その他のことが失われる。

言葉にした瞬間に、その他のことが失われる。

自分を決めつけない。

自分を思い込まない。

心の中で感じたことを

心の中で感じた自分を

感じたままで心の隅に置いておく。

そうすると、ふっとした時に、

思いもしなかった言葉とともに、

新しい世界と出会える。

判断力よりも保留力が

人を豊かにする。

 

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世界は私でしかない

私たちは、生きていくために世界に言葉を与え続けている。

世界に言葉を与え、細かく細かく分解して理解しようとする。

世界は私が与えた言葉でしかない。

あなたの世界は、あなたが与えた言葉でしかない。

私たちは、一つの世界に違う言葉を与え続ける。

世界は私でしかない。

世界はあなたでしかない。

人は、一人一つの世界を生きている。

豊かな感性で、豊かな言葉を与え続けると、世界は輝く姿を見せてくれる。

あなたが与えた言葉があなたの世界になる。

 

今日、光あふれる日、私は世界に、美しいという言葉とためいきを与え続けた。

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さまざまなこと思い出す桜かな

仕事の途中に思いがけず、満開に近い桜に出会った。

ふっと、去年の桜はという言葉が思い浮かぶ。

そう言えば、一昨年の宝蔵寺の桜はことのほか.....

などと桜にまつわる思いが浮かんでは消えていく。

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さまざまことに思いをはせながら、心残りなどを少し遠くへ追いやり、

うつむき加減の身体を起こし、桜を見上げる。

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心に微かな光が差し込む。

古い自分を冬に託して、半歩踏み出すときかもしれない。

芭蕉の句
「さまざまなこと思い出す桜かな」

桜は、過去と未来、出会いと別れ、あきらめと希望、夢と挫折を、同時に思い出させる花かもしれない。

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