仕事の途中に思いがけず、満開に近い桜に出会った。
ふっと、去年の桜はという言葉が思い浮かぶ。
そう言えば、一昨年の宝蔵寺の桜はことのほか.....
などと桜にまつわる思いが浮かんでは消えていく。
さまざまことに思いをはせながら、心残りなどを少し遠くへ追いやり、
うつむき加減の身体を起こし、桜を見上げる。
心に微かな光が差し込む。
古い自分を冬に託して、半歩踏み出すときかもしれない。
芭蕉の句
「さまざまなこと思い出す桜かな」
桜は、過去と未来、出会いと別れ、あきらめと希望、夢と挫折を、同時に思い出させる花かもしれない。