コンタクト

コンタクトはカール・セーガンのSFを映画化したもので、ジュディー・フォスターが主演している。

地球外生命体との接触を題材にした映画で、宗教・科学・神の存在・政治が複雑に絡み合い、壮大な物語に仕上がっている。

またリアルさを追求したつくりには、説得力があり150分が短く感じるほどだ。

数度見て、また新たな感動を覚えた。

ラストで聴聞会を終えた主人公がホワイトハウスから出て階段を下りるシーンでいつも涙してしまう。

私たちが生きていくうえで、本当に必要なものは何か、人は何を求めてるのかという問いに、カールセーガンが温かいまなざしで答えている。

youtubeの画像は、オープニングのシーン

ざわめきが消え、はるかな宇宙に静寂が広がるシーンを美しく表現している。

エルクはどこにでもいるよ

エルク、私は感じたよ。

あの日、エルクがエルクの犬としてのボディを離れていくのを。

少し苦しそうな息が、小さくて穏やかな呼吸に変わって

エルクのボディからゆっくりとエルクの魂が出て行くのを感じたよ。

エルクを抱きかかえながら、私はエルクがゆっくりとゆっくりと

身体から抜け出て、光となっていくのを

そしてその光が、私たちを包み、サテちゃんを包み、

この家を包み、そして空に

宇宙に広がっていくのを感じたよ。

犬としてのエルクの役割が終わり、また原始の宇宙

すべての始まりの光に戻ったのだね。

それからは、雨にも風にも道ばたの花にも

エルクの存在を感じることが出来るよ。

おまえは、とても大きな存在だったけど

それを超えて、もっと、もっと大きな存在になったね。

エルク、私は知ったよ。

この世界は、生まれることも、滅びることも

増えることも、減ることもないのだと。

すべては、最初のままなのだ。

私の中にエルクがいて、エルクの中にも私たちがいて

すべての生き物には、すべての人たちがいて、

ありとあらゆるもの、すべてのものに、私たちは、含まれているのだ。

私たちは一つなのだと。

私は毎日、エルクのことを思い出すと泣いてしまうのだけれど、

悲しいからではないのだ。

おまえと出会えたことが嬉しくて、ありがたくて

暖かいものがこみ上げてくるのだよ。

だから安心してくれていいよ。

生きることは素敵なことだと、エルクが教えてくれたから。

エルクが残してくれたものがあまりに大きくて

お礼の言葉もないけれど、エルク本当にどうもありがとう。

エルちゃん劇場終わりました

春の穏やかな日、

遠くで救急車のサイレンが鳴り

吉野行きの電車の音がかすんで聞こえる。

風にのった花びらが

どこからともなく、舞飛んでくる。

鶯やコジュケイの声がこだまする。

朝の散歩から帰り、

おいしそうにご飯を食べた後

ヨーグルトのパックをなめていたエルク。

急に発作を起こして、

数分後私たちの腕の中で

エルクの魂はボディを離れました。

そのことがまるで当然であるかのように

エルクは、光になり、宇宙に広がって行きました。

この長閑かな春の日

エルクの息する音が聞こえてきません。

エルクと呼んで駆け寄る姿がみえません。

雉の鳴き声は聞こえるのに、エルクの足音が聞こえません。

前回の発作から1ヶ月

私はエルクから多くのことを学びました。

死のこと

大切なものを失うこと

エルクの発作を通して

大きな気づきもありました。

でもエルクが私に与えてくれた最大のものは

愛するという心、慈しむこころ

愛おしいという思いです。

私は涙を拭きながら、この文書を書いています。

この涙には、エルクを失った悲しみの他にも

生きることの意味、死の意味、

愛すること、思うこと

生きていくこと

人が人であるために大切なこと

悲しみ、慈しみ、

喜び、楽しみ

すべてのものが混ざり合った涙です。

エルクが私に愛すること、慈しむことを

教えてくれなければ、私はただ悲しみの涙を流したでしょう。

エルクほんとうにありがとう。

どんな感謝をしても言葉がありません。

エルク、エルク、エルク

ほんとに、ほんとにありがとう。

エルク、愛しているよ。