夕方の雪

雪がフロントガラスに当たっては後ろに飛び去って行く。

視界が白く煙る。

歩く人に、自転車を走らせる人に、

ゆっくりと、覆い被さるように雪がふる。

この雪を見ているとどこか遠くへ

知らない町へと旅がしたくなる。

いや、帰りたいのかもしれない。

どこか知らない町へ。

知らない場所へ、

帰って行きたくなる。

私が、私と出会う前の場所に。

 

 

草の上に座る

夕方の散歩の時

草の上に座って草を撮影した。

前に草の上に座ったのは何時だったか

忘れてしまった。

もうひと月もすれば、寝転がれるかもしれない。

 

今朝ははまだ昨夜の雪が少し残っていた。

積もらなければ雪も愛おしい。

経巡り

私たちが考えていることで、死んだら分かることがたくさんある。

今知っていることは、死んだら分かることは、考えない方がいいということだ。

死んだときに、持って行けないものに執着しては行けない。

それも知っている。

でも、難しい。

知ることと分かることは違う。

地図と現実の道ほどにも違う。