夕方の雪

雪がフロントガラスに当たっては後ろに飛び去って行く。

視界が白く煙る。

歩く人に、自転車を走らせる人に、

ゆっくりと、覆い被さるように雪がふる。

この雪を見ているとどこか遠くへ

知らない町へと旅がしたくなる。

いや、帰りたいのかもしれない。

どこか知らない町へ。

知らない場所へ、

帰って行きたくなる。

私が、私と出会う前の場所に。