帰る場所

仕事に追われているといつの間にか、社会に向いている自分がいる。

人と関わることが多くなると、人に向いている自分がいる。

社会の中の私、人の中の私が騒がしく、表に出ようとする。

社会からの、人からの評価が自分のエネルギーであるかのように振る舞う。

こんな日が続くと、思いやりが消えて、強い私が現れる。

  

自分に疲れていると感じるとき、

カメラを持って、近くの道をゆっくりと歩く。

ざわつく心の、奥の奥に微かな静けさを感じる。

道端の草に心を向ける。

沈む光に、消える露に、心を寄せる。

静々と穏やかに自分が戻ってくる。

 写真は自分を映してくれる鏡だと思う。

写真を眺めながら、今の自分を感じている。

海の向こうに見えるもの

眼と心の間に入れるフィルターで世界の見え方が変わる。

歓びというフィルターを入れると世界が輝いて見える。

死というフィルターを入れると、世界は儚く、現のように見える。

 

写真を見ていると今の自分を知ることが出来る。

世界と自分の間にあるフィルターを知りたくて、瀬戸内へ車を走らせた。

  

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東京

東京の町を少し歩いた。

ゆりかもめの窓から

新幹線の窓から写真を撮影した。

夕方の築地を歩いた。

夜の銀座を歩いた。

とても魅力的で、どこか異界で、

明るくて、人が多くて、ビルが輝いていた。

何故か寂しくて、辻々に孤独があると思った。

こんなに人がいるのにと思った。

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