帰る場所

仕事に追われているといつの間にか、社会に向いている自分がいる。

人と関わることが多くなると、人に向いている自分がいる。

社会の中の私、人の中の私が騒がしく、表に出ようとする。

社会からの、人からの評価が自分のエネルギーであるかのように振る舞う。

こんな日が続くと、思いやりが消えて、強い私が現れる。

  

自分に疲れていると感じるとき、

カメラを持って、近くの道をゆっくりと歩く。

ざわつく心の、奥の奥に微かな静けさを感じる。

道端の草に心を向ける。

沈む光に、消える露に、心を寄せる。

静々と穏やかに自分が戻ってくる。

 写真は自分を映してくれる鏡だと思う。

写真を眺めながら、今の自分を感じている。