雨の天河大辨天社

仕事の打ち合わせより、1時間早く天川村に着いた。

雪交じりの天河大辨天社を訪ねる。

 静謐さの中に神の思いがある。

大いなる命と宇宙の意志がある。

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本殿で手を合わせる。

ただ祈る。言葉や思いを持たずにただ祈る。

この神社の周辺にはお土産屋さんの一軒もない。

天川村の人たちは祈る場所を大切にしている。

今、吉野山と天川村の仕事が出来ることが嬉しい。

熊野にも素敵な友人がいる。

吉野、天川、熊野を自分の中でゆっくりと繋げていこうと思う。

光を見る密度

久しぶりに朝日の輝いた日、四つの光と出会った。

雨上がりのアスファルトに反射する強い光

寝起きの眼には眩しく、直線的に輝く。

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雨の雫に透明に輝く光

木々の梢に、響き渡るように輝く。

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遠くの家々を照らす雲間からの光

流れる雲の移動に光が彷徨い、家の上に降り注ぐ。

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下町の路地に残る午後の光

生活の場を照らす光は、温かく輝いて見えた。

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光を求め、光に求められた一日。

 

 

 

愛語

良寛さんの愛したものに「愛語」というものがある。

これは、道元禅師の「正法眼蔵」に書かれているもので、「愛語」とは慈悲のある言葉、慈悲からおこる言葉という意味だと思う。

良寛さんは、この文章を全文書き写したりしている。

太陽の別冊、「良寛」の巻末に付いていたものを切り取り、壁に貼って時々眺めている。

私は書の世界には暗いのだけど、この良寛さんの書には暖かいものを感じる。

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私は道元という人に、意味も無く「厳しい人」という先入観があった。

この「愛語」を眺めていると、これを書いた道元、書き写した良寛の慈悲のようなものが伝わってくる。

「愛語は愛心よりおこる、愛心は慈心を種子とせり、愛語よく廻天の力あることを、学すべきなり」

愛語には、世界を、人を変える力があると書いてある。私もそのような言葉を持ちたいと切に思う。すべての人が「愛語」を持つとき世界は変わる。

良寛さんを通じて「愛語」という良い言葉を知ることが出来てとても嬉しかった。

しかし鎌倉時代に「愛」という言葉がこのように使われているとは、奥が深い。