空っぽの手、空っぽのこころ

友人のブログにコメントを書いているときに、誰かが囁くように、この言葉が浮かんできた。

空っぽの手、空っぽのこころ。

今、一番お気に入りの言葉。

この言葉を心に浮かべると、少し落ち着く。

心身が軽くなる。

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雨の降った夕暮れ時、犬の散歩の時に虹を見た。

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公園のフェンスの向こうにバラが咲いていた。

これで十分だと気づいた。

とことこと行く

道路にこぼれる光が美しかったので、車を寄せてカメラを取り出す。

クラクションを鳴らしながら、知人の車がとことこと通りすぎてゆく。

田舎の細道をゆっくりと走ると小さな花がたくさん咲いていて、鳥の声も聞こえてくる。

雑木の細道を上りきった小高い、見晴らしの良い場所で、ホッとため息をつけるようなカフェを開きたい。

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田舎の細道の向こうに素敵なお店がたくさん出来ると嬉しい。

大分で友人が案内してくれたパン屋さんもぬかるみの細道の向こうにあった。大きな、おとぎ話に出てくるようなお店だった。

吉野の宮滝には、細道の向こうに美味しいラーメン屋さんがある。

このブログにも数度登場してもらっているが、町で美味しいものを食べ尽くした方でもこの店を喜んでくれる。

熊野から来てくれた友人を案内したが喜んでもらった。

あっさりとした塩ラーメンと具がたっぷりと入ったマグロ丼が名物。

それに値段が安いということもあって、お昼は待つ人で溢れている。

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緑で覆われた、この細道のすぐ向こうにお店がある。

花いばら

隣の空き地に野バラが咲いている。

蕪村の

愁いつつ 岡にのぼれば 花いばら

を思い出した。

別に

花いばら 故郷の路に似たる哉

がある。

蕪村は心の機微を表現することに長けている。

ゲーテに「野バラ」という有名な詩があるが、
内容を深読みしてしまいそうであまり好きではない。

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蕪村の持つ原風景自身が愁いに満ちているのだろう。

情景に反応して微かに波立つ蕪村の心の機微。

「あわれ」「侘び」などに通じる日本人の心性なのかもしれない。