ご無沙汰しております。年賀状ありがとうございます。
最近の写真をお送りします。自宅のプリンターで印刷してお送りしようと思ったのですが、少し気分を変えて小冊子にしてお送りします。
少しコントラストが低い印刷ですが雰囲気は出ていると思います。
2~3枚の写真を除いて、犬達との散歩の行き帰りに撮影しました。
毎日通るいつもの場所を撮影しています。
コンパクトデジカメで撮影していますので、しっかりとファインダーを見て撮影しているわけではありませんが、きっちりと「感じた」ものを撮影しています。
近頃は、「ファインダーを見る」という行為よりも、「ファインダーから感じる」ということを優先させています。出来るだけ「微かに感じた」ものをカメラを通して再現したいと思っています。
この小冊子の写真集に「Place where word is」(言葉の見える場所)というタイトルを付けました。
私たちは言葉を使わずに考えること(思考すること)は出来ません。どんな考え(思考)も言葉の制約を受けてしまいます。
しかし言葉を超えた「感じ」を受け取る事が出来ます。しかしその感じが自分に届いた瞬間に「言葉で」思考を初めてしまいます。
自分に届いた「感じ」を、言葉になるより早く「写真」に残したいという思いがあります。
私は写真を撮りながら「新しい言葉」「言葉を超えた言葉」を求めているのかもしれません。
誰にも聞こえない自分にだけ発せられる「風景からの言葉」をゆっくりと受けとめ、今まで知らなかった言葉で自分自身と語り合いたい。
私のだけの「言葉が見える場所」で少しの時間佇んでいたいものです。
若かった頃の「修行のような撮影」とは違い、最近は写真を撮ることが「楽しいこと」になりました。自分でも少し険しい部分が少なくなったのでは無いのかと思っています。
一度新緑の吉野をお訪ね下さい。お会いできる事を楽しみにしております。
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お久しぶりです。
写真帳ありがとうございます。
先ず個別な私への事物が届いたという、その事実に感謝します。
私はやはり感情型の人間であり、それが大方は弱さでもありますが、時折巡り合う少ない場面に、自身の内面の透明さを発見します。
写真は全体として、
森や里の樹木や草花、そして広い空に、漂う靄に、淡い朝夕の光など、 現われてきたのか・消え去っていく のか、その境界に在るような、言葉に向かう前の音楽のような風景に感じます。
第一印象です。
3.は美しい写真ですね。そこに感情を委ねると、音楽的な慰安で終わってしまいますが、実は見つめることを要求している写真に気付きます、シャープなのです。
そして、混沌とした音(音楽)に気付かされ、姿勢を正さずにはいられなくなるようです。
4.は逆光のおかげで、見えた風景であり、‥でなければとも思う風景でもあるように思いました。
関係性の構図に不思議な魅力があり、ここへ行きたくなる風景でもあります。
5.は4と同じく光の演出による明暗のパースペクティブと、より混沌とした植生が写真を埋めつくしていますが、明のススキのような主役の植物が緊張感を醸し出すかのようです。
6.7は4の部分のようですね。
その秩序のない勢いある線の力は激しく、より混沌性を増しているようです。
4.5.6.7.は総じて胸騒ぎが起きてきそうな写真でした。
3.のようにシャープであれば、より言葉を促したかもしれません。
それにしても4.5.の写真は不足感はあるのですが、見ることの充実感も相当あり不思議です。
18.スティーブ・レイシーのラピスを思い出します。
19.はエレクトロニカのCDジャケットの写真を想起させます。
前半の混沌とした感覚とは真逆の写真、遠くを見続けることが内面を見つめるような、過去相的な写真でもあるようです。
20.一見、モネやコローの絵を彷彿とさせます。
神秘的でさえある、空の青と雲の白、
負けまいと、樹木の色彩のグラデーションは正反対の美しさを‥
ただ「私」が入る余地が欲しいところ‥、とは贅沢なのか‥
美しい写真です。
28.はルソーの絵のような‥
好きな写真です。
ただここにはプンクトゥムは無いようです。
でも、誰かにとってはプンクトゥムがあるかもしれません。
32.幽玄な写真です。
グラデーションの豊富さが神秘的な力となり、凝視を誘います。
そして、それは見る力と奏でる力を宿し…
しかし、何を見ようとしているのか…
何かを見ようとする意志・想像力を高めているのか
もしれないと‥
「明るい部屋」の冒頭の写真、カーテンの真ん中下から垣間見える、神秘的な微かな外の光、
指向性は同じかもしれません。
総じて、最近エレクトロニカも良く聴くのですが、例えばクリスチャン・フェネスの音楽のようであり、古くはロバート・ワイアットのsea・songを思い出しました。
最後に、修業という言葉が出てきました。
それについて語りたいことがあるのですが‥
それは次回に
Iより