写真を撮るとき、知らず知らずに自分を表現している。
または、自己表現ということを求めて写真を撮影する。
そのいずれも、持続した作業の内に、自分自身に「表現」というものが身に付いてくる。
しかしそれは、表現ではなくて癖かもしれない。
単に嗜好の偏りかもしれない。
心の思い込みかもしれない。
私が求める自己表現とは、そこに自分がないこと。
違う言葉で言えば、自分がなくなるまで表現すること。
これが自分の表現だと気づいたときに、その表現を手放す。
そしてまた、作業が続く。
いつも新しい眼差しで、新しい世界と出会いたいから。
自分が自分を求めなくなるその日まで、私の作業は続く。