蜩の声

今日仕事の関係で、吉野川の河原に車を止めた。

夏草の生い茂るなかに小さい赤い花が咲いていた。

 

カメラを持つと様々なことが目にとまり、心に響く。

普段感じることのできない、ささやかなもの、何気ないものが声を掛けてくる。

心に触れたものがあると、その瞬間、心の中をのぞき、その感じたものを味わう。

そしてその感じをきるだけ損なわないように写真を撮る。

 

私の写真に特別なものはいらない。

しかし、そこに写っているのは、すべてかけがえのないものばかりだ。

 

河原の写真を見ていると微かに秋を感じる。

草が、花が、季節の移り変わりを教えてくれる。

 

昨日の雨の影響か、今日の夕暮れは少し涼しい風が吹いていた。

蜩の鳴く声が夕暮れの光に紛れていく。