ふかくこの生を愛すべし

先日の日曜美術館で會津八一が紹介されていた。    

會津八一は、奈良を愛した歌人で、号を秋艸道人という。    

私の友人が、八一の書と歌を好み、彼に導かれて、奈良へ歌碑を見に出かけたりした。    

仏像や歴史に興味の無かった私と、奈良を結びつけたのは八一の歌かもしれない。    

豪放磊落で、孤高の存在であった八一の残した歌は、外見とは正反対で、繊細で美しく、細やかな感性に溢れていた。    

八一の歌に読まれた仏像や仏閣を見て回る内に、八一を好きになり、奈良を好きになったのかもしれない。    

その會津八一が弟子や学生たちの規範のために「学規」を作成している。        

学規    

ふかくこの生を愛すへし
 かへりみて己を知るへし
 学芸を以て性を養うへし
 日々新面目あるへし   
     

どれも素晴らしい言葉で、学問はすべて自分で知り、経験する必要があるとし、「実学」を説いた八一らしい内容だ。    

とくに「ふかくこの生を愛すへし」に感動する。    

「ふかくこの生を愛すへし」は、生きることの基本かもしれない。    

学問、美術、仕事のすべての根底にこの言葉があれば、大きくブレることも無いような気がする。    

ふかくこの生を愛した人は、また深く人を愛することができるのだろう。    

     

八一はよく「破門」という言葉を口にしたようだ。    

でも弟子たちは彼から離れていくことは無かった。    

 八一の思いが深く弟子や学生たちに届いてからだろう。   

    

愛されるのが仕事の我が家の犬たち   

しみじみ可愛い梅ちゃん   

 

   

 

     

渋く素敵なサテさん 

    

   

“ふかくこの生を愛すべし” への2件の返信

  1. きょんばんは~
    この学規、行きつけの歯医者さんの待合室に掲げてありますね~
    渋い歯医者さんでしょ

  2. さよちゃん、先日はどうもありがとう。

    渋いです。サテさんよりも渋いです。
    でも歯医者さんは怖いですきょ。

    梅ちゃん、いい顔になってきました。
    涼しくなったら会いに来て下さい。

    サテさんも楽しみにしています。

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