「散るさくら 残るさくらも 散るさくら」
これは、良寛さんの言葉。
さくらに、無常をうまく託している。
散るさくらを惜しんでいるあなたも、また散るのですよ。
散ることも、咲くことも何も特別なことではないのですよと
良寛さんがつぶやいているような気がする。
この句に「いろは」を続けて読むと
「散るさくら 残るさくらも 散るさくら いろは にほへと ちりぬるを わかよたれそ つねならむ」
(「散るさくら 残るさくらも 散るさくら 色は匂へど 散りぬるを 我が世誰そ 常ならむ)
となる。
私たちは、無常の世界に住みながら、無常を知らない。
無常を知ることは、流れに逆らわずに泳ぐようなものだ。
無常を知れば、ただ生きることのすばらしさがわかる。