いよよ華やぐ

桜も盛りを迎え、命を限りに咲き誇っている。

この時期、岡本かの子さんの

「年々にわが悲しみは深くして いよよ華やぐ命なりけり」

という歌を思い浮かべる。

半世紀も生きていると楽しみよりも、哀しみと親しくなるようだ。

咲く花よりも、散る花に心が寄り添う。

哀しみが昇華されて透明になるとき、命の華やぎを感じるのかもしれない。

 

この歌の作者は、49歳でこの世を去った。

小説が認められ、これから華やごうとした時だった。

かの子を桜に例えれば、染井吉野よりもしだれ桜の風情に近いような気がする。

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“いよよ華やぐ” への2件の返信

  1. いつも、ありがとうさん。

    それにしても、最近のブログ、
    心に染みますね。

  2. コメントありがとう

    無風堂さんのブログはまだですか?
    楽しみにしています。

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