国道から少し入ったところに小高い山がある。
急な坂道を上ってくると空き地が拡がり、荒涼とした風景の頂上で道が交差している。
この場所に差し掛かると、いつもクロスロードという言葉が浮かぶ。
クロスロード、交差点。
普段立ち止まることのない道路の真ん中に立って、周りを見回す。
どちらへも行けるけれど、どちらへも行くことが出来ない。
そんな思いに囚われながら、車に戻る。
いくつものクロスロードの真ん中に立って、私はどのように道を決めてきたのだろう。
音楽が上手くなりたいために、クロスロードで悪魔と契約を交わしたギターリストの伝説があることを思い出した。
今度、人生のクロスロードに出会ったとき、
思い切って道路以外の道を歩いてみよう。
例えそこが荒野であっても。