友人がプレゼントしてくれたカーステレオに、ジャニス・ジョプリンのCDを入れて一人で車を走らせた。
私はいつも自由を求めていた。
しかし自由は、求めて手に入るものではないことを、最近になって知った。
求めて手に入るもので、自分を満たすものが無いことも少し分かった。
大切なことは、手放すことだと気づいた。
私は、ジャニス・ジョプリンが好きで、彼女のことを思うと胸が切なくなる。
ジャニスの歌を聴くときは、幌を上げて、オープンな空気の中でワインディングロードを走らせる。
カーステレオからMe And Bobby McGeeが流れる。
「私は、赤い汚れたバンダナからブルーハープを引っ張り出した。
それを低く吹くとボビーはブルースを歌った。
ワイパーが拍子を取り、私は片手でボビーの手を握った。」
「自由を違う言葉で言えば、何も失うものが無いと言うこと、
何もない、わかる?、もし自由がなければ何もない」
ジャニスは、きっと自由よりも人の愛が欲しかったのだろう。
二十歳の頃、私は狂おしく自由と自分を求めていた。
今、私が二十歳なら、一体、何を求めるのだろう。