ギターを聴く

ゴンチチから始まり、ジャズのジョー・パス、ボサ・ノヴァのジョアン・ジルベルト、フラメンコのパコ・デ・ルシア。そしてクラシックギターの村治佳織。

いずれの音楽性も高く、聴いていてその技巧と表現力に圧倒される。

その中で、最高に心惹かれたのが、村治佳織。

真剣にクラシックギターを聴くのは初めてだけれど、その豊かな音楽性には感動した。

村治佳織のギターは、正確なピッチ、高度なテクニック、しかしそれを感じさせない品格の良さ。

抑制された表現。すべてが整って、美しい音楽を奏でる。

非常にピュアな表現と音。

この方のバッハを聴いてみたいと思った。

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Comme À La Radio ラジオのように

アラン・ロブグリエの訃報を知り、 「去年マリエンバード」を思い出した。

「広島、わが愛」からマルグリット・デュラスへ、「モデラートカンタービレ」へ

「インディア・ソング」からヌーベルバーグへ

マン・レイからシュールレアリストへ

マヤ・デーレン 午後の網目へ

ブルトンやトリスタン・ツァラ

ロートレアモン

アッジェのパリ

そして、ラジオのように 

記憶の糸車が、ノイズと共に回っている  

毎日々、レコードがすり切れるほどに繰り返し聞いた音楽。

ブリジットフォンテーヌのディープ・ヴォイス

アレスキー・ベルカセムの粋なパーカッション

ア-ト・アンサンブル・オブ・シカゴの前衛ジャズを彷彿とさせる演奏

すべてが新鮮で、とってもシュールだった。

そう、とてもシュールを感じた音楽。

  

遠く交錯する知識の織物に浮き出す一枚のアルバム

そして、このアルバムのライナーノーツは、間章によって書かれていた。

間章から阿部薫へ、そしてコルトレーンへ

もう少し私の思い出に身を任せよう。

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ギターを聴く ゴンチチ

FM放送を聴いていてゴンチチのファンになった。

以前は積極的に聴きたい音楽ではなかったけれど、映画「無能の人」でサントラに使われていて、一度ゆっくりと聴いてみたいと思っていた。

レンタル店で5枚借りて、今回のベストワンは、「GUITARS」

他のアルバムも楽しめるが、このアルバムは繰り返し聞いて、なお味がある。

ゴンチチの音楽は決して「癒し系」などという音楽とは違う。

 この31v3qcncg8l_ss500_1.jpg「GUITARS」を聴いていてはっきりとそのことが解った。

ゴンチチの音楽は、一音ずつの、音の立ち居振る舞いが美しい。

この一音ずつの立ち居振る舞いの良さによって、アルバム全体が美しく、聴いていて心地よく感じる。

音が大切にされているなと感じる。

一音ずつに与えられた居場所が心地よい。