花を見つけに

この数日、時間を空けて花を見に行くことが多い。

ゆっくりと花を見ていると、疲れた自分と出会う。

花との距離を感じながら、写真を写す。

この震災で何かが、自分の中の何かが変ったような気がする。

それが何かはまだ解らないのだけど、

その変った自分を持てあまして、疲れているのもしれない。

 

ハクモクレンに光がたゆたい美しい。

光と自分の間に少しの距離があって、

それを取り去ることができない。

感覚が閉ざされているのを感じる。

でも花を見るのは楽しい。

今はそれで十分なような気もする。

この震災で傷つかなかった人はいないのだから。

 

再びの桜

友人と訪れたお寺に、今日もう一度桜を見に出かけた。

一昨日は、友人と会えた嬉しさと、満開の花、夕方の光で、何もかもが輝いて見えた。

気分が高揚していて、桜に映える光だけを感じていた。

 

今日は雨上がりの曇り空で、薄暗く、心なしか花々が寛いでいるような気がした。

人気のない境内をゆっくりと歩く。

ただ桜は散る。

ただ桜は咲く。

静けさという音に包まれて写真を撮った。