On The Nature of Daylight

映画「メッセージ」で使われていたマックス・リヒターの「On The Nature of Daylight」があまりに素晴らしく、自分の感性の方向を決めてしまうのではないかと思えるほど影響を受けた。この音楽には、希望・苦難・絶望・喜びへと向かうあらゆる方向が示されている。

映画「メッセージ」も素晴らしく、静謐で力強く、生きることの意味を問う、深さと強さを併せ持った作品だ。音楽が私の映像に与える影響はとても大きい。

アルヴォ・ペルトを知って写真が変わったように、マックス・リヒターを知ってまた変わるのかもしれない。変化することはとても楽しい。写真は今朝の北野台の公園付近。

この駅で降りなければ、海に着く

169号線を通り川上村へ打ち合わせに行く。このままどこへも立ち寄らなければ、2時間後には、熊野の海に着く。
「この駅で降りなければ、海に着く」と思いながら17年間ずっと会社に行き続けたと「はじめての短歌」で穂村弘さんが書いている。
「海に行けば今日のことは一生忘れられないってことは、わかってた」しかし「生きのびる」側の強制力が無断欠勤して海にいくことを許さなかったと。
務めに行く人はみんな自分の海を持っていて、いつか、いつかと思いながら、いつもの駅で降りで会社に向かうのだろう。
「生きのびること」と「生きること」が二つあって、「生きのびること」に疲れても「生きること」が心のどこかにあれば、人として生きていけるような気がする。
気がするだけかもしれないけれど。写真は十数年前に撮った熊野の海。私の「生きること」