表現を通じて宇宙と出会いたいという思いがあるならば、その行為は孤独でなければならない。
それは、写真においても同じ事である。
その孤独を森有正は、「根源的孤独」という言葉で表現した。
「感覚はすべての思想、すべての作品の根源であって、独立していなければならぬ。
それが孤独ということの本当の意味である。
それ以外の孤独は感傷である。」
数十年を経て、やっとこの森有正の言葉の重みに気づく。
孤独とは「個」であることだと思う。
自己が個へと高まるとき、私は宇宙と出会い、そして繋がる。
この「根源的孤独」から得られる感覚は、表現となり、やがては多くの人の感覚や心に訴求するものになる。





