啐啄同機

言葉を人に伝えることは出来るけれど、気づきを与えることは難しい。

禅の言葉かどうかを忘れてしまったけれど「啐啄同機(そったくどうき)という言葉がある。

ひな鳥が卵の殻を破って外に出ようとするとき、親鳥が同時に殻をつつく。

自分の力だけでは殻は破れない、親鳥の思いだけでも、殻は破れない。

出たい思いと、出したい思いが重なった時に、殻は破れる。

そのような意味だと思う。

禅では、師と弟子の関係は絶対である。

師が弟子を見続け、弟子が厳しい修行を重ねて、同じ時を過ごす。

時期が来たと判断したときに、お互いの思いの重なりとして、悟りが開かれる。

多くの人が、折々に私の殻を破ろうとして、外から突いてくれているのだろうなと思う。

だが、殻が厚すぎるのか、中まで音が聞こえないのだろう。

まず、殻を薄くすることが必要かもしれない。

しかし親が突かなくても、孵る卵はある。

カエルが卵を突いているのを見たことがない。

は虫類や両生類の卵は、きっと殻が柔らかいのだ。

時期が来れば自力で出てくるから。

殻を破ろうとするより、殻を柔らかくする方が少し楽かな。

これならあまり人に迷惑をかけないし。

鳥式よりも、は虫類式の方が自分に合っているような気がする。

“啐啄同機” への2件の返信

  1. そったくどうき、漢字に変換できないのでひらがなですいません。

    聞きなれない言葉ですが、意味は興味深いです。

    EVAには卵が割れないうちに中から無理をして出て行こうとするひとが結構こられます。

    たとえば看護師を10年頑張ったけど、夜勤とかあるしセラピストに転向したい人です。

    看護師を10年間普通にちゃんとしていたらあちこちからオファーや昇格の話があるはずなんですが、

    違う世界にいきたがるんです。

    そんな人は、卵は21日で孵化するなら17日目ぐらいなんで、殻を無理して割ってもすぐ未熟児で死んでしまうんですよね。

    そったくどうきを分かっている人は無理をしないでたんたんと自分の仕事をしていくんでしょう。

    ふと、しげさんは、

    と思ってみました。

    虫であれ、鳥であれすでに孵化されている人と思いました。

    だからあとはふらふら漂うように暮らしていけばそのうち土かなんかに還るんでしょう。

    EVA のぶさんでした

  2. のぶさんこんにちは。コメントありがとうございます。

    のぶさんに、このように書いていただくと嬉しいです。

    漂うように生きていければそれが一番幸せだと思っています。

    この夏は、煩わしものを整理して、漂いやすいように少し身軽になろうと思っています。

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