空間が満たされている。
音楽と柔らかな光と珈琲の香りに
アン・サリーのナチュラルヴォイスに、マンデリン・スマトラの苦みが解け合い、心地よい甘みに変わる。
フワフワのロールケーキ、甘さを押さえたクリームが珈琲の味を引き立てる。
少し冷めかけの珈琲を何気なく口に含むと軽い驚きを覚える。
温度が下がっても、いや温度が下がるほどにクリアさが増していくような気がする。
酸味、甘み、苦みがほどよく調和し心を和ませる。
大阪でも神戸でも、美味しい珈琲を飲ませるお店が減ってきたような気がする。
私たちが、珈琲の本当の味を忘れてしまったことが原因かもしれない。
私は学生の頃、あるお店のオーナーに珈琲のことを教えてもらった。
何年もそこの珈琲を飲み続けて、味が変化していくのも知った。
昔は、お客がバーのマスターを育て、マスターがお客に飲み方を教えたように、
珈琲もまた伝えて育てなければ消えてしまう文化かもしれない。
珈琲の味を忘れてしまった人たちは、一度PEACE PEACE PEACEを訪ねて
本当の味を思い出した方が良いのかもしれない。
12月にこの店を訪れてから、家で丁寧に珈琲を淹れるようになった。
「珈琲はたくさんあるようですが、2種類しかありません。美味しい珈琲か美味しくない珈琲です。」とオーナーが教えて下さいました。
PEACE PEACE PEACEの珈琲は間違いなく「美味しい珈琲」です。