このときから私たちは諦め始めた

運転中、AMラジオから映画「いちご白書」のテーマソング「サークルゲーム」が流れてきた。

バフィ・セント・メリーの歌声が切ない。

映画は、1986年のコロンビアの大学紛争が舞台だ。

大学紛争に少し乗り遅れた世代としては、小学校の時のテレビニュースでしか記憶に無いのだが、何故か切ない。
この時代を境に、私たちは何か大切なものを諦める習慣が身についたのかもしれない。
もっとも大切なものを諦め、その次に大切なものを求めだしたような気がする。

それにしてもバフィ・セント・メリーの歌声が切ない。この切なさは、私の好きなジョーン・バエズの歌声に似ている。

私はある時期、毎日のようにジョーン・バエズの歌声を聞いていた。バエズの声には「意志の力」がある。きっちりとしたメッセージをきっちりと伝えようとする思いの強さを感じる。

人々が世界を正そうとした、ほんのつかの間の時代、その時代の気分を歌声で表現したのがジョーン・バエズかもしれない。

久しく聞いていないので、amazonで調べてみると、もうほとんど手に入らなく成っている。

一度休みの日に、ゆっくりと聞いてみよう。時代の気分を思い出して。

そして、私たちが何を諦めたのかを考えながら。

ジョーン・バエズ