枕草子に
冬はつとめて。雪の降りたるはいふべきにもあらず、霜のいとしろきも、
とありますが、冬の早朝の光りは格別に美しい。
瞬間、瞬間に違う表情に出会う。
一息一息に、空気が変わる。
朝を全身に受け止めて一日が始まる。
光と風の交わる場所で
枕草子に
冬はつとめて。雪の降りたるはいふべきにもあらず、霜のいとしろきも、
とありますが、冬の早朝の光りは格別に美しい。
瞬間、瞬間に違う表情に出会う。
一息一息に、空気が変わる。
朝を全身に受け止めて一日が始まる。
数日前に暖かい霧の日があった。
朝の散歩道はどこも真っ白で、少し離れて歩くサテの姿も薄ぼんやりとしている。
霧の日は静かで鳥の声もどこか遠くで聞こえる。
澄み切った晴れ渡る日もいいけれど、この優しさに包まれるような霧の日は特別だ。
暖かい静寂と共に歩いていると、微かに太陽がそのシルエットを現し始めた。
昨日みぞれが降った。
今日は冬の日のような晴天で風が冷たく、雲の動きは速く、陽光はとぎれとぎれに降りそそいだ。
車で30分もかからないところに高取城跡がある。
標高583mの典型的な城山で、石垣が美しく紅葉に映えていた。
目とこころに沁みる木々の拡がり
重い雲から光りが差し込む。
光りが足元まで届く時、風景が変化する。
視点を足元に落とすと、そこにはいつもの美しさがあった。