レトロということ

日曜日に、吉野町商工会青年部が主催するレトロカーフェスティバルが開催された。

懐かしい車や私が生れる前の、とても古い車もあった。

殊更古いモノがいいとも思わないが、良いものは古くても良いのだということを改めて認識する。

一目見て、美しいという言葉が浮かんでくる車がある。

曲線が官能的で、存在の仕方がとても有機的なのだ。

 

「ナイン」という映画のなかでも、ブルーグレーのアルファ・ロメオ ジュリエッタスパイダー

で海岸線を走る去るシーンがある。

ため息が出るくらいに美しい。

 

車のデザインが人に近いという気がする。

最近は無理をしてまで手に入れたいという車が少ない。

車が人から遠ざかり、機能に、企業に向いているような気がする。

私たちは、何を得て何を置き去りにしたのか。

その答えがレトロカーフェスティバルにあるような気がした。

 

ライトウェイトオープンカーの幌を明けて、夜明けの海岸線を走る抜ける。

大型のコンパチブルなら、ルート66をひたすら走り続けるのもいい。

仕事のためや家族のためではなくて、自分のためだけの車があっても良いと思った。