恵古箱さんのおうちを久しぶりに訪ねた。
このおうちには、独特の時間と空間が流れている。
現在の社会に流れる時間とはひと味違う、ゆったりとした時間がここにはある。
それは、ふるいものたちが醸し出す独特の雰囲気かもしれない。
ここにあるふるいものたちに、特別な価値があるわけではない。
ただふるいだけでもない。
何かつながりのあるもの。自分とつながるものたち。
例えば、遠い記憶に登場するものたちだったり、
幸せな時間を呼び覚ますものたちだったり、
手のひらや、指先が覚えている温もりだったりする。
宝物のように大切にされた、ガラスの瓶
飽きずに眺めたコップの模様、
思い出の詰まったブリキの缶
人がものを理解し、慈しみ、大切に扱った時代の記憶が蘇るのかもしれない。
もし、恵古箱さんのおうちを訪ねるのなら、ゆっくりとした時間のあるときがいい。
ゆったりとした時間の中に佇んでいるのに、あっという間に時間が過ぎてしまうから。
いつも最高の笑顔で迎えてくださる恵さん、どうもありがとう。