古詩十九首に「行行重行行」(行き行きて重ねて行き行く)という詩がある。
これは、「離別の詩」と言われ、行軍を重ねて遠くへ行ってしまった夫を思いやる妻の悲しい思いが綴られている。
私はこの言葉の重なり具合が好きで、「行き行きて重ねて行き行く」と詠むと、遠くへ、ほんとに果てしない遠くを旅する人を想像してしまう。
年を重ねると「過過重過過」だなと思う。「過ぎ過ぎて重ねて過ぎ過ぐ」という感じがする。
吉野の桜に当てはめると、「咲咲重咲咲」(咲き咲きて重ねて咲き咲く)というイメージにぴったりする。
私は十分に人生を楽しんでいるので、後もう一楽しみをして、
「楽楽重楽楽」がいいような気がする。
これは、「楽しみを楽しみて重ねて楽しみを楽しむ」と詠むとぴったと来る感じがする。
こんな暢気な文章を書いているけれど、実は確定申告の真っ最中で、どうも現実逃避しているようだ。
毎年の事だけれど、どうも好きになれない。
こんな時よく「行行重行行」という言葉を思い出す。
あ~、何処か遠くへ行きたいな。
此処からではなくて、自分から遠い場所へ。
友人からお借りしたCanon 5D MKⅡで撮影しました。