四角形の画面でモノクロームの写真は、自分の原点のような気がする。
十数年ぶりに撮影した写真を見ていると、またここへ戻ってきたという思いがする。
デジタルカメラにはないフィルムカメラの世界。
めんどくさくて、重くて、時間がかかる、愛おしい世界。
ゆっくりと見下ろすファインダーに、世界が朧気に姿を現す。
ファインダーに現れる世界に導かれるように、身体が移動する。
世界が私に向って開かれてくる。
自分が消えていく。
私が消えるほどに、世界は美しく語りはじめる。
ただ世界だけが写っている写真と出会いたい。
今年は、少しずつフィルムでも撮影しようか。
四角い画面に溢れんばかりの事物たち。
吉野でしょうか‥。
フィルム大歓迎です。
この桜は、中判でないと撮影できないでしょうね。