光のレクイエム

大切な人が長い闘病生活に別れを告げるように旅立っていった。

写真撮影が好きなその人に、光いっぱいの写真を捧げようと思った。

その人のたましいが、光のつぶになって宇宙へ帰っていくことを祈って。

マニュアルカメラ

最近はフィルムで写真を撮るようになって、そのゆっくりとしたペースが楽しい。

ブログにアップするには、デジタルカメラが便利だけれど、写真を楽しむにはやはりフィルムがいい。

フィルムカメラで撮影していると、写真はカメラが撮るのではなくて、レンズが撮ることが解る。

機械が撮るのではなくて、人が撮るのだと思い出す。

 

フィルムカメラはデジタルカメラと違い、レンズの良さがダイレクトに反映される。

レンズを吟味するのも楽しい。

ただブログには向かない。

ゆっくりと撮影するので、一本のフィルムを撮り終わるのに、1ヶ月ほどもかかる。

 

今朝、太陽が出たので、犬の散歩にデジタルカメラを持って出かけた。

小さな光がこぼれていた。

NOKTON 58mm F1.4 SL II

よく見ること

芭蕉から習うことが多く、撮影のヒントも多い。

芭蕉の有名な俳句に

「よく見れば なずな花咲く 垣根かな」

というのがあるが、

このよく見るは、じっと見るや凝視することではない。

ましてマクロレンズで拡大することでもない。

なずなは見えているけども、なずなを見てはいない。

だからよく見る。

なずなを経験する。

このときになずなを取り巻くすべての宇宙が一緒に見えてくる。

でもこれがすごく難しい。

書こうとすると難しくて、言葉にならない。

このような状況を、俳句にしてしまう芭蕉はやはりすごい。

 

最近は見えているけれど、見ていないことが多い。

もう一度よく見ることから写真を始めようか。