仏教では人間のもつ煩悩を三毒といい、善根を害する三つの心の動き、貪欲(とんよく)・瞋恚(しんに)(怒り)・愚痴(ぐち)の事を表す。若いときは自分の煩悩が嫌で何とか逃れたい、消したいと思って、本を読んだり、瞑想のようなことを試みたりしたが、少しも煩悩は消えなかった。
しかし60歳を過ぎポンコツになってくると、この三毒も自分の個性ではないのかと思えるようになった。自分の一部だと。自分の煩悩の深さに呆れながらも、この三毒と一緒に歩いて行けるような気がする。ただ、人前でこの三毒が目立つとさすがに都合が悪いので、少しだけ後ろを歩くようにお願いしている。
これが愛されるポンコツになる秘訣かもしれない。