陶淵明の「桃花源記」は、380年頃の話しで、理想の生活、理想の土地を美しい言葉で表現している。
彼の地では、争いがなく、差別がなく、動物たちは仲良く、貧しいが豊かな生活を送っている。
もちろんフィクションで、陶淵明の理想の土地だったのだろう。
吉野の山々も、4月になると花々に彩られ、ふもとの里は、一時「桃花源記」の様相を表す。
写真の道路は二つに分かれている。
どちらに行けば桃源郷があるのか?
どこまで行けば桃源郷はあるのか?
飲酒二十首で陶淵明は答える。
「心遠ければ地、自ずから偏なり」
心が世間や喧噪から遠く離れていれば、私の住みかは、自然に辺鄙な場所に変わるのだと。
まず心の桃源郷を求めよと、陶淵明は教えてくれる。