親戚の結婚式があり、10年ぶりくらいに大阪のビジネスパークを訪れた。
大阪ビジネスパークが開発される前は、私の子供の頃の遊び場であり、大阪でもカオスに満ちた不思議な空間だった。
私の冒険心を満たしてくれた場所が、いつの間には取り壊され、ツインタワーの建築をきっかけに高層建築が建ちはじめ、美しい都市へのメルクマールとしての機能を果たしていった。
しかし、10年振りに訪れたOBP(大阪ビジネスパーク)は、どこか陳腐でありきたりの都市の演出であり、想像力を欠如した、予定調和の世界にしか見えなかった。
OBPは人の意志ではなく、経済の意志によって築かれているような気がした。
自然からも人からも祝福されることのない場所。そのようなイメージを抱いた。
どこにもである、イメージしやすいカフェテラスの雰囲気。
ビルの表情は冷たく少し暗い。
コルビジェの夢はどこに消えてしまったのだろう。
高層建築とコンクリートの町は、私たちに何を残してくれるのだろう。
私たちは「美しい廃墟」を持つことはできない。
都市は再生産され続け、立ち止まることが許されない場所になってしまった。