細い道の傍らに、ブロックの壁があり、
下に川石で組んだ石垣が続く。
時々車を止めてゆっくりと眺める。
私は、この壁のどこが気になるのだろう。
特に晴れた日の午後は気になる存在だ。
花や草木、空と同じように、ブロックの壁や錆びたトタンで作られた小屋が好きだ。
そこに在るだけで温かく感じる。
この壁の反対側に、小さな作業場の跡がある。
そっと中をのぞくと、光が眩しくて
中から「誰もいないよ~」という声が聞こえた。
ではと、記念に一枚撮影して、ゆっくりと車に戻った。
歩く背中が少し温かい。