音楽を聴きながら

大淀の事務所では、音楽を聴きながら仕事をしようと、ラジカセを持ち込んで好みの曲を聴く。 

う~ん、何かイメージが違う。音が軽く明るい。聴いている曲は、カサンドラ・ウィルソン。

考え事は、道を歩きながらするのが一番だけと、イスに座ってならディープで、ダークで暖かいカサンドラ・ウィルソンに勝る物はない。
しかし、このラジカセでは、雰囲気が出ない。どこかポップで明るい。もしかしたら、最近のラジカセは、若者向けにチューンされているのかもしれない。

というわけで、狭い事務所に昔使っていたオーディオシステムを持ち込むことにした。
20年ほど前には、日本のオーディオは活況を呈していて、いいアンプやステレオが開発さていた。そのころに買った物やオークションで1万2千円ぐらいで落としたアンプ、リサイクルショップで買ったスピーカーなど、ロートルでアナログな機械たちだ。

カサンドラ・ウィルソンのニュームーンドーターを聴く。
少しくぐもった音が、身体に染みこみ心地よい。ベースの音に絡むディープボイス。暗く暖かいスローバラード。
古いステレオから出る音が、自分の身体にぴったりと合っている。古い身体には、アナログなステレオから出る音が向いているのかもしれない。
こんどは、レコードプレーヤも持ち込もう。いやこれ以上、仕事場を狭くすることも出来ないな。

お気に入りのこのシステム、欠点は、時々音が出なくなること。でも最大の欠点は、考え事をすることが出来ないことだ。
いつか音楽に聴き入ってしまう。   ステレオ