投稿日: 2018 年 9 月 19 日2018 年 9 月 19 日小樽へ向かうフェリー 夜の港にフェリーが着岸する。 フェリーターミナルから、微かに人のざわめきが聞こえる。 乗降する車がタラップを踏む音が響き、フェリーのエンジン音が港に響いている。 遥かむかし、高校2年生の私は、このフェリーで小樽へと向かった。重油の匂いと、振動、湿った風だけが思い出された。 当時の記憶があまりに不鮮明なので、思い出すことを諦めて、ゆっくりと離岸するフェリーを眺めていた。
投稿日: 2018 年 5 月 13 日2018 年 5 月 13 日たましいの宿り木 ツクシシャクナゲ 大台ヶ原のシャクナゲの色は おぼろげに緋い 肉体から離れたたましいが 宇宙に還るまえのひととき 花に身を寄せ 惜別の想いに涙しているかのようだ 慟哭ではなく、懺悔でもなく ただ、ただ懐かしむ 新緑の梢に溶け出す想いは 大気に広がり粒子と消える 石の上ではコミヤマカタバミが 空を見上げて微かな風に揺れている