薄れゆく言葉

カメラを持つ時間が増えると

言葉が薄れていく。

考える時間の

何十倍も

感じていたい。

すべての言葉が消えて

感覚だけになった

自分を想像する。

梅雨の色

鈍色の空から落ちてくる雨が少しおさまったので、

仕事帰りの車を止めて、少し歩く。

風景にただカメラを向けてシャッターを切る。

梅雨の色が美しく映し出される。

 

言葉が微睡む午後

梅雨空の7月、言葉が微睡み始める。

微睡みながら言葉は地に染み込み

夏の太陽に照らされて蒸発していくようだ。

言葉が私から遠ざかるほど、満ち足りた時間が訪れる。