大台ヶ原のシャクナゲの色は
おぼろげに緋い
肉体から離れたたましいが
宇宙に還るまえのひととき
花に身を寄せ
惜別の想いに涙しているかのようだ
慟哭ではなく、懺悔でもなく
ただ、ただ懐かしむ
大気に広がり粒子と消える
石の上ではコミヤマカタバミが
空を見上げて微かな風に揺れている
FUJIFILM X100F (23mm, f/8, ISO200)
FUJIFILM X100F (23mm, f/2.2, ISO200)
FUJIFILM X100F (23mm, f/4, ISO200)