合歓の花

天川への道すがら、丹生川上神社下社を過ぎたところに合歓の花が咲いていた。

この季節、雨の中で合歓の花を見ると決まって芭蕉の奥の細道を思い出す。

松島は笑ふが如く、象潟はうらむがごとし。寂しさに悲しみをくわへて、地勢魂をなやますに似たり

の文章に次の句が続く。

「象潟や雨に西施がねぶの花」

西施という絶世の美女に象潟を重ねて、梅雨に咲く合歓の花を匠に句にしている。

しかしどのような景色を見れば「寂しさに悲しみをくわへて、」という言葉が出てくるのだろう。

合歓の花に西施の面影を感じて、そこから想像が広がったのだろうか。

天才俳人の恐ろしいまでの想像力を感じる。

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小さな声

心を静かにして過ごしていると、小さな小さな声でささやきが聞こえる
心を澄まし、耳をそばだてる

言葉の意味はわからないけれど、伝えたいことの感じは心に伝わる

その感じをそっと心の中において、大切に時間を過ごす

光が風を横切るとき、蝶の影を見た日、木の葉の舞い立つ朝、おいしいコーヒーを飲んだとき

ふとしたきっかけで、言葉の意味に気づく

あぁと私はつぶやき

満たされた時を迎える

何度となく経巡る、小さな気づき

大切なことほど、最初のささやきは小さい

あなたが微笑めば

人として生まれてきて、最高に楽しいことの一つは

人の微笑みに出会えることだ。

天の祝福もありがたいけれど、私には遠すぎる。

身近な人の微笑みが、何より嬉しい。

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写真は4月末に撮影したもの。夕暮れ時に月が微笑んでいた。

私の好きな歌に「When You’re Smiling(君ほほえめば)」というナンバーがある。

敬愛するビリーホリデーが少し軽めのテンポで歌う。

車の中では、アン・サリーのヴォーカルで聞くことが多い。

When you’re smiling, when you’re smiling,
the whole world smiles with you.

When you’re laughing, when you’re laughing,
the sun comes shining through.

But when you’re crying, you bring on the rain.
So stop your sighing.
Be Happy again.

Keep on smiling ‘cause when you’re smiling
the whole world smiles with you.

君がほほえめば世界は君にほほえむ。

君が笑えば、太陽が輝く。

しかし君が泣くと雨が降ってくる。
ため息をつくのをやめて、微笑んでごらん。

だって、君が微笑めば、世界のすべてが、君に微笑むから。